上棟式は家づくりの大きな節目であり、施主にとってもご近所にとっても印象に残る大切なイベントです。
しかし、「近所への挨拶は何を言えば良いの?」「手土産にはのし紙を付けるべき?」「のしの表書きはどう書くの?」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。
特に工事中は騒音や車両の出入りで近隣に迷惑をかける可能性があるため、上棟式の前後での丁寧な挨拶は欠かせません。
本記事では、上棟式での近所挨拶のマナー、手土産の選び方、のし紙の正しい書き方を詳しく解説します。
これを読めば、上棟式の挨拶で失敗せず、ご近所との関係を良好に築くことができるでしょう。
上棟式とは?近所挨拶が大切な理由

上棟式(じょうとうしき)とは、家の骨組みが完成した時点で行う儀式で、建物が無事に完成することを願い、大工や工事関係者に感謝を伝える場でもあります。
最近では簡略化する家庭も増えていますが、特に住宅密集地や昔ながらの地域では、上棟式は工事の節目として今も重視されています。
そしてこのタイミングで大切なのが「近所への挨拶」です。
建前(たてまえ)や棟上げとも呼ばれる上棟式は、周囲にとっても工事が大きな段階に入ったことを知るきっかけになります。
工事中の騒音や車両の出入りに理解を得るためにも、誠意を持った挨拶は欠かせません。
ここでしっかり礼を尽くすことで、今後のご近所付き合いがスムーズになるという大きなメリットがあります。
上棟式における近所挨拶の範囲とタイミング
上棟式の近所挨拶は「いつ」「どの範囲に行うか」がポイントです。
一般的には両隣と向かい3軒、裏手の家に加えて、工事車両が出入りする道路沿いの家や町内会長へも挨拶しておくのが安心です。
特に車や騒音の影響を受けやすいお宅には忘れず訪問しましょう。
タイミングは上棟式の当日、または前日〜数日前が理想的です。
当日は式の準備で忙しくなる場合もあるので、余裕を持って回っておくと丁寧です。
ご近所の方に「いよいよ棟上げなんですね」と声をかけてもらえるきっかけにもなり、地域の関係性を深める良い機会になります。
手土産は必要?相場と選び方のポイント

近所挨拶の際には、手ぶらよりも簡単な手土産を持参した方が印象が良いです。相場は500円〜1,000円程度で十分で、あまり高価なものにする必要はありません。
選ぶ際は「日持ちがするもの」「家族構成を問わず使えるもの」が無難です。
具体的には、焼き菓子や煎餅、コーヒーやお茶の詰め合わせ、タオルなどの日用品がよく選ばれています。
「ちょっとした心遣い」を示すことが目的なので、相手に気を遣わせない程度の品を意識しましょう。




のし紙の書き方と表書きの基本マナー

手土産に掛ける「のし紙」は、意外と迷うポイントです。上棟式や工事挨拶におけるのしの表書きは 「御挨拶」 または 「粗品」 とするのが一般的です。
水引は紅白の蝶結びを使用します。

これは「何度あっても良い」という意味を持ち、引っ越しや工事関係の挨拶にふさわしい形式です。
のし紙には施主の名字を入れるのが基本ですが、地域や家族構成によってはフルネームや「〇〇家」とする場合もあります。
のしの書き方は小さな部分ですが、「きちんとしたご家庭」という印象を与える大切なポイントになります。
実際に使える近所挨拶の例文
実際に使える近所挨拶の例文を紹介します。
是非、参考にしてください。
挨拶の基本例文
「このたび、こちらに新居を建てることになりました〇〇と申します。本日は上棟式にあたり、ご挨拶に伺いました。工事中は騒音や車両の出入りでご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。」
上棟式当日の例文
「本日、無事に上棟を迎えることができました。これから完成までの間、ご不便をおかけするかもしれませんが、安全に配慮して工事を進めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。」
手土産を渡す際の一言
「ささやかですがご挨拶の品です。お納めいただければ幸いです。」
例文はあくまで参考なので、自分の言葉に置き換えて伝えると誠意が伝わりやすくなります。
上棟式の近所挨拶で気をつけたいマナー

上棟式の近所挨拶で気をつけたいマナーについて紹介します。
- 挨拶に伺う時間帯は午前10時〜夕方5時を目安にする
- 食事時や夜の訪問は避ける
- 服装は清潔感を意識(男性は襟付きシャツ、女性は落ち着いた服装)
- 留守宅には挨拶状を添えて後日改めて伺う
- 工務店やハウスメーカーの担当者が同行してくれることもあるが、施主自らの言葉も必ず伝える
こうした基本マナーを守ることで、工事期間中に不必要なトラブルを防ぐことができます。
まとめ

上棟式は家づくりの大きな節目であり、施主にとっても近隣にとっても印象に残るタイミングです。
この時期の近所挨拶は、単なる形式ではなく、これからの生活を支えるご近所関係を築く第一歩でもあります。
手土産やのし紙は「心遣い」を表すためのツールであり、豪華さよりも気持ちが大切です。
挨拶の言葉は短くても構いませんが、感謝と配慮を誠実に伝えることが、良好な関係と工事の円滑な進行につながります。
この記事を参考に、自分らしい言葉とマナーで挨拶を実践してみてください。