「北枕は縁起が悪い」と聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
日本では昔から「亡くなった人を北に頭を向けて寝かせる」という風習があり、そのイメージから北枕を避ける方も少なくありません。
しかし実は、北枕には科学的にも合理的で健康的なメリットが多いことがわかっています。
この記事では、北枕が「なぜ不吉と言われるのか」という由来から、実際には“良い”とされる理由までを、わかりやすく解説します。
北枕が縁起が悪いと言われる理由とは?

北枕が忌避される理由は、仏教の葬送儀礼に由来しています。
お釈迦様が入滅(亡くなった時)に、北の方角に頭を向けて横たわったと伝えられたことから、「死者を偲ぶ姿勢=北枕」という認識が広がりました。
その後、葬儀の際に遺体を北枕で安置する風習が生まれ、「北枕=死」「縁起が悪い」といった迷信的な考え方が定着したのです。
ただし、これはあくまで宗教的・文化的な背景に過ぎず、現代の住環境では実害もなく、むしろメリットの方が多いことが知られています。
実は北枕が「良い」とされる理由

実は北枕が「良い」とされる理由は以下のようなものが挙げられます。
- 地磁気の流れと身体の方向が整う
- 安眠しやすく疲れが取れやすい
- 風水的にも“安定”を意味する方角
- 夏は涼しく、冬は暖かい寝室配置になる
それぞれについて説明していきます。
1. 地磁気の流れと身体の方向が整う
地球には北から南に向かって磁場(地磁気)が流れています。
この磁場の方向と人の体の向きを合わせると、血流や自律神経の働きが安定しやすいといわれています。
つまり、北枕は地球のエネルギーに沿って眠る自然な姿勢。
科学的にも、磁場と身体の方向を合わせることで、睡眠の質が向上する可能性があるのです。
2. 安眠しやすく疲れが取れやすい
北枕は、他の方角に比べて脳への血流が安定しやすいという考え方もあります。
体の向きを北にして寝ると、重力の影響で血液が自然に頭から足へ流れ、血の巡りが良くなり、深い眠りに入りやすいといわれます。
「朝スッキリ目覚める」「寝つきが良くなった」と感じる人も多く、実際に睡眠研究でも「北枕は体の緊張をほぐしやすい」という結果も報告されています。
3. 風水的にも“安定”を意味する方角
風水の世界では、北は「静」や「安定」を象徴する方角。
冷静さ・落ち着きをもたらすエネルギーがあるとされ、睡眠を司る寝室には最も向いている方位とされています。
また、「北に頭を向け、南に足を向ける」配置は、家庭運・健康運を安定させる配置とも言われています。
落ち着いた気を取り入れ、ストレスを溜めにくい空間を作る意味でも理にかなっているのです。
4. 夏は涼しく、冬は暖かい寝室配置になる
北側の部屋は、外気温の影響を受けにくく年間を通じて温度が安定しています。
南側の窓際は日差しが強く、夏場は寝苦しさを感じやすいですが、北側を頭にすることで直射日光の影響を避け、涼しく快適に眠ることができます。
冬でも、頭部を北側にすることで体温のバランスが保たれ、寝室全体の温度ムラを感じにくい快適な環境をつくりやすいのです。
北枕にする際のポイントと注意点

1. 枕の位置とエアコンの風向きを確認する
北枕にする際は、エアコンの風が直接頭に当たらないように注意しましょう。
冷たい風が頭に当たると体温が下がりすぎ、睡眠の質を下げてしまうことがあります。
また、壁との距離を少しあけることで空気が循環しやすくなり、結露やカビ対策にもなります。
2. 頭の方に観葉植物や木製家具を置くと◎
北枕に不安を感じる人は、頭の方向に木製の家具や観葉植物を置いてみましょう。
風水的には“木の気”が悪いエネルギーを吸収してくれるといわれています。
枕元にグリーンを置くだけでも、心理的な安心感が得られます。
3. 自分の寝心地を最優先にする
最も大切なのは、「北枕だから良い・悪い」と決めつけず、自分が快適に眠れることです。
寝室の間取りや光の入り方、風通しなどによってベストな方角は変わります。
北枕を試してみて、体調や睡眠の質が良くなるようであれば、そのまま続けてみましょう。
まとめ|北枕は不吉ではなく、むしろ健康に良い

かつては「縁起が悪い」と言われてきた北枕。
しかし、その由来はあくまで宗教的な習慣によるものであり、現代の暮らしにおいてはむしろ健康的で理にかなった寝方です。
北枕は 下記のようなメリットがあります。
- 地磁気に沿って眠ることで血流が整いやすい
- 睡眠の質が高まり、疲れが取れやすい
- 風水的にも「安定」「落ち着き」をもたらす
- 夏も冬も快適な温度を保ちやすい
もし「なんとなく北枕は不安」と感じていた方も、一度固定観念を手放し、健康的で快眠できる寝室配置を試してみてください。
“北枕=縁起が悪い”という考え方は、もう過去のものかもしれません。

