新築を建てるときに「空調」をどうするかは、とても大きなテーマのひとつです。
各部屋にエアコンを取り付ける方法もありますが、部屋ごとの温度差や光熱費の効率、メンテナンス性を考えると「全館空調」という選択肢が魅力的に見えてきます。
私が採用したのは LIXILの全館空調システム「エコエアFine」。
LIXILの公式サイトでも紹介されている通り、家じゅうを快適な温度に保ちつつ、空気環境を整えることに強みを持っています。さらに、私の暮らし方や住宅性能との相性も踏まえると、多くの理由から「これしかない」と思える選択でした。
本記事では、私がエコエアFineを採用した 14の理由 と、導入する前に知っておくべき デメリットや注意点 をまとめてご紹介します。
LIXILのエコエアFineを採用した14の理由
LIXILのエコエアFineを採用した理由は下記のとおりです。
- 温度差を抑えて家じゅうを快適に保てる空気循環設計
- オート循環切替システムで部屋間の温度ムラを自動補正
- 換気と冷暖房を一体制御して空気質を改善できる
- 建物に合わせて空調プランと開口部対策を設計できる柔軟性
- 日常メンテナンスがしやすく維持管理がラク
- エコ性能・省エネ性が高く光熱費を抑制できる
- 家具配置を邪魔しないスッキリとした見た目
- 長期にわたり快適性を維持できる安心感
- LIXILのSW工法(スーパーウォール工法)との相性が抜群
- 室外機の数が少なくなり外観や設置スペースもすっきり
- LIXILの「建て得でんち」(太陽光+蓄電池)とも好相性
- 高気密・高性能を誇る工務店の家だから性能を最大限発揮できる
- 書斎にもエアコンが欲しかったが全館空調なら解決できる
- ヒートショック対策になり家族の健康面でも安心
それぞれについて説明していきます。
理由1:温度差を抑えて家じゅうを快適に保てる空気循環設計
エコエアFine の大きな特長のひとつは、「温度差の少ない快適な室内環境」を実現することです。公式サイトでも「夏も冬も温度差が少なく、家全体を快適な室温に保ち」と謳われています。
普通、建物では南側と北側、1階と2階とで温度差が出やすく、寒暖のムラが住みにくさの原因になります。エコエアFine は、家全体を風の流れでコントロールして、そのムラを軽減できるよう空気循環設計がなされています。
理由2:オート循環切替システムで部屋間の温度ムラを自動で補正
エコエアFine には「オート循環切替システム」が備わっており、夏期・冬期に変わる空気の動きを自動でコントロールし、部屋ごとに生じやすい温度差を最小限にする設計です。
例えば、日中に日差しで暖まった部屋と日陰の部屋の温度差を、自動で風の流れを変えて補正してくれる機能があるのは、全館空調システムとして非常に心強いポイントでした。
理由3:換気と冷暖房を統合制御して、空気質も向上
エコエアFine は、換気と冷暖房を別々ではなく一体で制御できる設計になっています。これにより、外気の取り込み・排気・室内循環のバランスを取りながら冷暖房が働くので、湿度管理や空気の清浄性を保ちつつ快適性を維持できます。
この統合型システムにより、室内空気が淀みにくく、健康的な暮らしに寄与するという点も選択理由のひとつです.
理由4:建物に合わせた空調プランと開口部対策を設計段階で組める柔軟性
公式サイトでは「建物ごとに空調プランと開口部対策をご提案」と明記されています。つまり、ただシステムを載せるだけでなく、その建物の形状・窓の大きさ・日射遮蔽等を考慮した最適構成を設計できるわけです。
この柔軟性は、家を建てる際の設計自由度と快適性を両立させる上で非常に大きな魅力でした。
理由5:日常のメンテナンス性を意識した設計で、維持が楽
全館空調装置や通風路・ダクトなどはメンテナンスが気になる部分ですが、エコエアFine は「毎日空気がキレイ」「お掃除・メンテもラク」とされており、設計段階で掃除や点検をしやすいよう考慮されています。この点も長く使っていく上では重要な要素です。
理由6:エコ性能・省エネ設計で光熱費抑制が期待できる
エコエアFine は、無駄な冷暖房運転を抑え、効率よく家全体を制御することで、冷暖房負荷を最適化する設計がなされていることが公式で紹介されています。
長期的に見れば、全館冷暖房を回すシステムだからこそ効率性が問われます。ここで「無駄が出にくい設計」を選べる点は、導入費用を正当化する理由になります。
理由7:家具配置やインテリアを邪魔しない、スッキリした見た目
従来の個別エアコンが壁に張り出すなど、インテリアを制限することがありますが、全館空調システムで風路が隠蔽されていれば、室内がすっきり保てます。公式の “インテリアもスッキリ” という表現もあります。
これは見た目重視の家づくりをしたい人にとって、非常に魅力的なポイントです。
理由8:暮らし始めてからも「快適性」が続く安心感
全館空調は単なる快適性装置ではなく、家の性能に深く関わるシステムです。エコエアFine は 24時間・365日 空気と温度をコントロールすることを前提に設計されており、公式でもその暮らしぶりを訴求しています。
長年使っても快適性が大きく落ちないような仕様設計とサポート体制が整っていることが、採用を決断する後押しとなりました。
理由9:LIXILのSW工法(スーパーウォール工法)との相性が抜群
私の家はLIXILが推奨する高断熱・高気密のSW工法を採用しており、この工法と全館空調は非常に相性が良いと説明を受けました。外皮性能が高い家だからこそ、空調の効率が最大限に活き、冷暖房負荷を抑えながら家全体を快適に保つことができます。
理由10:室外機が少なくなることで外観もスマートに
各部屋にエアコンを設置すると、どうしても複数の室外機が並ぶことになり、見た目や設置スペースに悩まされます
エコエアFineなら室外機を最小限にできるため、外構デザインやメンテナンスの負担を軽減できるのも採用理由のひとつでした。
理由11:LIXILの「建て得でんち」との相性が良い
LIXILが展開する太陽光発電+蓄電池のシステム「建て得でんち」と組み合わせることで、エコエアFineの電力消費を自家発電でまかなうことができます。昼間は太陽光で空調を動かし、余剰分は蓄電池へ。夜間や停電時にも快適性を維持できる仕組みは、ライフラインの安心感につながります。
理由12:高気密・高性能の工務店だから性能を最大限発揮できる
今回お願いした工務店は高気密・高断熱住宅の施工を得意としており、C値やUA値などの性能値も重視している会社でした。私の家のC値は実際に0.17でした。全館空調は家の性能に左右されやすいため、信頼できる工務店と組み合わせることで、その性能を余すところなく発揮できると確信しました。
理由13:書斎にもエアコンが欲しかったから全館空調が最適
仕事用の書斎は快適な温度が必須ですが、個別にエアコンを設置するとコストやスペースの無駄につながります。全館空調なら、どの部屋も均一な温度環境になるため、書斎だけでなく廊下やトイレまで快適。小さな部屋にこそメリットを感じました。
理由14:ヒートショック対策になり家族の健康面でも安心
冬場にリビングは暖かくても廊下や脱衣所が寒いと、ヒートショックのリスクが高まります。全館空調のエコエアFineなら家中がほぼ均一な温度環境になるため、急激な温度差を防ぐことができます。家族の健康や安全を守るためにも、大きな安心材料となりました。
エコエアFineのデメリットと注意点

エコエアFineのデメリットと注意点について説明します。
デメリット1:初期導入コストが高い
全館空調は通常のルームエアコンよりも導入費用がかかります。導入メリットを得るためには、長期的な光熱費や快適性の価値を見込む必要があります。
デメリット2:停電時は空調が止まる
電気を使うシステムのため、停電時は稼働しません。蓄電池や太陽光との併用を考えると安心です。
また、そのことを考えて、私の家では工務店の勧めにより1台だけエアコンを設置しました。
デメリット3:フィルター掃除などのメンテナンスが必須
個別エアコンと同様にフィルター清掃が必要です。また定期的に点検や掃除をする意識を持つ必要があります。
デメリット4:一度に家全体を冷暖房するため細かな調整は難しい
全館空調は家全体を一括で管理する仕組みなので、「この部屋だけ冷やしたい」「この部屋だけ暖めたい」といった運用は難しいです。
デメリット5:間取りや住宅性能によって効果が変わる
高気密・高断熱住宅向けのシステムのため、性能の低い家では十分な効果を発揮できない場合があります。
まとめ

LIXILの全館空調「エコエアFine」を採用した理由は、温度差のない快適さ・空気質の向上・省エネ性・デザイン性・健康面の安心感 に加え、SW工法や建て得でんちとの相性、室外機の削減、高気密住宅だからこそ性能を活かせる という点でした。
もちろん、初期コストやメンテナンスなどのデメリットは存在します。
しかし、長期的な快適性・健康リスクの低減・光熱費削減を考えれば、十分に導入する価値があると感じています。
全館空調を検討している方は、ぜひ「自分のライフスタイルと住宅性能に合うかどうか」を考え、メリットとデメリットをしっかり比較したうえで判断することをおすすめします。